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総監修:北澤克明(赤坂北澤眼科)
監修:三嶋 弘(広島大学医学部眼科学教授)
阿部春樹(新潟大学医学部眼科学教授)
根木 昭(神戸大学医学部眼料学教授)

白内障とは、目の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気です(図1A、1B)。この目の濁りというのは、ほとんどの場合が目の老化によるもので、人が歳をとると髪の毛が白くなったり、皮膚にしわが寄るのと同じような正常な変化です。
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| 図1A.健康な水晶体では、瞳孔を通してはっきり見えます。 |
図1B.白内障では、水晶体の濁りのために瞳孔は灰色に見えます。 |

目の中には、前面に水晶体というレンズ、背面に網膜という光を感じるフィルムがあり、カメラと同じような働きをしています(図2A、2B)。ものを見るためには、カメラのフィルムと同じように、光を感じる網膜にはっきりした画像が映らなくてはなりません。網膜はこの画像の視覚的なイメージを電気的なメッセージに変えます。そして、視神経がこの電気的なメッセージを目から脳へと伝えます。
カメラと同じように、目は水晶体というレンズを使って光を焦点に集めます。通常、水晶体は透き通っていますが、歳をとるにつれてだんだん濁っていきます(図3)。水晶体の-部が濁っているだけであれば、わずかに見えにくくなる程度ですが、水晶体の大部分あるいは中心部が濁っていると、焦点が合わず、網膜にはぽやけた画像しか写すことができなくなります。その結果、ものが見えにくくなってしまうのです(図4)。
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図2A.カメラで写真を撮ると、レンズによって光はフィルム上の焦点に集まります。上下がひっくり返った像Eという字がはっきりとフィルム上に現れます。

図2B.目はカメラと同じような働きをします。光は目の中の水晶体によって網膜上の焦点に集まります。 |

図3.目の中の水晶体(矢印)の位置。水晶体(レンズ)が濁るのが、白内障です。

図4.白内障の目では、あらゆる物体がぼやけて見えます。

白内障になると、ものがぽやけて見えるほかに、水晶体の濁りのために光が散乱するので、うす暗く見えたり、まぶしくてものが見えにくいといった問題も起こります。そのため夜間の運転ができなくなることもあります。
白内障の初期の段階では、水晶体が焦点を合わせる力に変化が起こり始めており、眼鏡を替えたらはっきり見えるようになった、あるいは文字を読むのに眼鏡がいらなくなったといった視力の変化がみられることがあります。しかし、白内障がさらに悪化すると、眼鏡を替えても視力は回復しません。
白内障による視力の低下は、白内障手術によって十分に回復します。通常この手術は、緑内障を併発している患者さんに対しても非常に効果があります。

緑内障の患者さんに白内障が起こることはよくあります。それは主として、白内障も緑内障も老化に伴って多くみられる疾患だからです。

緑内障の目は、水晶体の濁りによる影響が顕著にあらわれます。緑内障のために視野が失われ、すでにものが見えにくくなっていると、白内障からくる視力の低下が非常に目立ちます。

緑内障の治療は、白内障でものがぽやけて見える状態を、さらに悪化させることがあります。
緑内障治療に用いられる点眼薬のなかには、ピロカルピンやカルバコールなど、瞳孔を小さくするものがありますが、瞳孔が小さくなると、目に入ってくる光の量が少なくなり、うす暗く見えるようになります。水晶体中心部が混濁し、ものがうす暗く見えてしまう白内障患者さんには、このような点眼薬は非常に使いにくい薬剤なのです。
最近、瞳孔を小さくすることなく、非常に効果のある点眼薬が登場したため、ピロカルピンやカルパコールはあまり使用されなくなりました。緑内障治療に用いられる眼圧を下げる点眼薬のなかには、まれに白内障の一因となるものがあります。広く使われてはいませんが、フォスフォリンアイオダイドのようなコリンエステラーゼ阻害薬は、特に白内障を生じる可能性があります。このような点眼薬も瞳孔を小さくする作用があります。また、緑内障の手術後に、白内障を生じることもまれではありません。この場合の白内障は、緑内障の手術から回復した後に、治療することになります。薬剤や緑内障手術の好ましくない副作用により、さらにぽやけて見えたり、うす暗く見えるようになることもありますが、緑内障と白内障を併発している患者さんにとっては、緑内障治療のため眼圧を下げることのほうが、白内障による視力の変化よりも重要なのです。緑内障では視力は永久的に失われてしまいますが、白内障による視力の低下はもとに戻る可能性があることを忘れないでください。

水晶体は目の前面にあるので、眼科で検査を行えば、すぐに白内障が生じているかどうかがわかります。
ただし、水晶体の濁りが患者さんの視力をどの程度妨げているかを調べるのは簡単ではありません。ものが見えにくいためにどのようなこと(例えば、運転、テレビを観る、読書など)が困難かを患者さんは眼科医に伝えなくてはなりません。白内障の症状の程度がどのくらいであるか、また、視力が回復する可能性があるのかどうかを調べるには特別な装置を利用します。白内障で水晶体の濁りができていても、白内障による視力低下は非常にゆっくりと進行しているので、しばらくの間は手術をしないで視力を良好に保てることがよくあります。
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眼鏡
一番重要なのは、眼鏡の処方です。白内障の初期の段階では、眼鏡を替えると視力がほぼ正常なレベルにまで回復することがよくあります。そして眼鏡をたびたび替えなければならないようになり、ついには眼鏡を新しくしても視力が回復しなくなります。
まぶしさを和らげる
初期の白内障で最もやっかいな症状がまぶしさです。明るいところで座って読書ができても、晴れた日に歩いたり、夜間に運転をしているとき、ものがはっきり見えにくくなることがあります。これは、水晶体の濁りのために目に入る光が散乱することが原因です。
日中はサングラス、太陽の光が直接目に入る時には、サンバイサーや帽子が役に立つでしょう。読書している時のまぶしさは、照明を変えることで和らげられます。肩の背後から読み物に光があたるのが、最も適しています。前面から直接光があたる位置にならないようにします。まぶしさのために、夜間の運転がほとんどできないようであれば、白内障の治療を受けるまでは運転をやめた方がいいでしょう。
白内障の手術
白内障の手術をすべきかどうかは、患者さん自身の視力を回復する必要性によって決まります。白内障の手術が悪者さんにとって有益となるかどうかを決めるには、眼科医との話し合いが大切です。 |
Glaucoma, A Patient Newsletter
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